「もしトラ」
-日本経済に与える影響-

2016年の大統領選挙に当選し、2017年から2021年までアメリカ合衆国大統領を務めたドナルド・トランプ氏。(以後トランプ氏)2024年11月に控えたアメリカ大統領選挙でトランプ氏は、再選を目指しています。

今回は、「もしトラ(もしもトランプ氏が再び大統領に就いた場合)」について、日本経済に与える影響について考えていきます。

アメリカの大統領選挙について

アメリカの大統領選挙は4年に1回、二大政党である民主党と共和党の候補が戦います。202411月の大統領選挙では、民主党から現大統領のジョー・バイデン氏が、共和党からトランプ氏が出馬します。大統領選挙は、間接選挙の形式を取っており、各州に割り当てられた選挙人の数を基に勝者が選定されます。

選挙人制度のため、総得票数で多くの票を得た候補が敗れることもあります。選挙は「勝者総取り」方式で行われるため、各州で最多得票を得た候補がその州の全選挙人票を獲得します。これにより、特に激戦区と呼ばれる州での勝敗が全体の結果を大きく左右します。

アメリカの選挙制度は、50州が独立した権利を持つ歴史的な背景から生まれましたが、制度疲労が見られることもあります。大多数の州では、選挙前からどちらの政党が優勢かほぼ決まっており、実質的に結果を左右するのは一部の激戦区です。東海岸と西海岸では民主党が強く、中央部では共和党が強い傾向があります。

大統領選挙の結果は、国内外の政策に大きな影響を与えます。今回の大統領選挙も注目されており、「もしトラ(もしもトランプ氏が再び大統領に就いた場合)」という言葉まで生まれました。

「もしトラ」が日本経済に与える影響

アメリカ大統領選挙の結果は、世界中の経済に影響を与えます。特に日本とアメリカは重要な経済的パートナーシップを築いており、アメリカの政策変動は日本経済に大きな影響を及ぼします。

「もしトラ(もしもトランプ氏が再び大統領に就いた場合)」が実現した場合、日本経済に与える影響について考えていきます。

①防衛政策と経済負担

トランプ氏は同盟国に対して防衛費の負担増を求める姿勢を強めてきました。再選後もこの方針を維持する可能性があります。

防衛費の増加は日本の防衛産業にとってはビジネスチャンスになります。新たな装備の開発や導入が進み、国内経済にプラスの影響を与えることが期待されます。

しかし、防衛費の増加は国の財政負担を増大させます。限られた財源の中で防衛費の増額は、他の教育や社会福祉などの分野が削減されるリスクがあり、国民生活に対する悪影響が懸念されます。

②環境政策と企業への影響

トランプ氏が再選すると、アメリカが地球温暖化を抑止するパリ協定の枠組みからまた離脱するリスクがあります。トランプ氏はこれまでも環境規制の緩和を推進し、化石燃料産業を支援してきました。

環境規制の緩和により、エネルギーコストが低下し、日本企業にとってもメリットが生じる可能性があります。特にエネルギー集約型の産業にとっては、コスト削減が競争力向上につながるでしょう。また、アメリカ市場での規制緩和により、日本企業が進出しやすくなる可能性もあります。

しかし、長期的には環境規制の緩和が気候変動問題を悪化させるリスクがあります。日本も気候変動の影響を受けやすい国であり、自然災害の増加や生態系の変化が経済活動に悪影響を与える可能性があります。

③貿易政策の影響

トランプ氏はこれまでも「アメリカ・ファースト」を掲げ、貿易における保護主義的な政策をしてきました。

トランプ氏の貿易政策が日本企業にとって有利に働くケースも考えられます。例えば、アメリカ市場での競争が減少することにより、日本製品のシェアが増える可能性があります。また、二国間交渉を通じてより有利な貿易条件を引き出す機会が増えるかもしれません。

一方で、トランプ氏の保護主義的な政策が日本に対しても適応されるリスクがあります。関税の引き上げや貿易制限が行われれば、日本企業の収益は打撃を受け、輸出依存度の高い産業が特に影響を受けるでしょう。また、アメリカ市場へのアクセスが制限されることで、日本経済全体の成長が鈍化する可能性があります。

④為替政策の影響

トランプ氏はこれまでもドル安政策を支持し、為替市場に影響を与える発言をくり返してきました。

ドル安が進行すると、円高が進む可能性があります。円高は輸出産業にとっては不利ですが、輸入コストが下がるため、消費者にとってはメリットになります。

しかし、急激な円高は輸出依存度の高い企業にとって大打撃になります。特に自動車産業や電機産業は影響を受けやすく、企業の収益が悪化する可能性があります。

⑤移民政策と労働市場

トランプ氏は厳格な移民政策を掲げており、この方針が継続される可能性があります。

厳格な移民政策がアメリカ国内の労働力不足を引き起こし、日本企業がその隙間を埋めるチャンスが生まれるかもしれません。特に技術者不足が日本企業の進出や投資を促進する要因となる可能性があります。

しかし、移民政策の厳格化はグローバルな労働市場に影響を与え、日本企業が必要とする人材の確保が難しくなるリスクもあります。また、アメリカ国内での消費活動が低下し、経済全体の成長が鈍化することで、日本企業の売上にも影響が及ぶ可能性があります。

まとめ

いかがでしたか?トランプ氏が再選した場合、日本経済に与える影響は多岐にわたります。さまざまな要素が絡み合って、日本企業や国民生活に影響を及ぼします。

肯定的な側面と否定的な側面の両方を考慮し、中間的な視点から総合的に判断することが重要です。

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