5月病対策~心も身体も健康に~

ゴールデンウィーク明けごろから、疲労感や気力低下、食欲低下、不安、不眠などの症状が現れることをよく5月病といいます 。5月病は、精神的または身体的なストレスや疲れによって心身に大きな負荷がかかり、脳がうまく働かなくなった状態のことだそうです。

この5月病は実は正式な病名ではなく、医学的には「適応障がい」「抑うつ状態」と診断されます 。今回は、5月病になりやすい人の特徴や対策について学んでいきたいと思います。

5月病の発症は環境の変化が引き金になりやすい

2018年に、全国の20代~50代の男女1,000人を対象に行われた5月病に関するアンケートによると、男性の約22%、女性の約25%が5月病になったことがあると回答しているそうです。

5月病になったと思われる原因の1位は入社、次いで人間関係の変化、転職となっており、人生の転機に環境が変化することで、5月病が発症しやすいと言えるのかもしれません。

まじめで責任感が強い人は要注意!

まじめで責任感が強く、他の人と良好な関係を維持しようとする人ほど、5月病になりやすいそうです。新社会人や新入生は、息抜きのタイミングや方法が分からず、期待に応えようと頑張りすぎることでストレスを抱えてしまいがちです。

また、若い世代だけでなく、中高年世代が5月病になる例も多いそうです。中高年になると環境の変化に弱くなるという傾向があり、ストレスがうつ病という形で表面化することもあるため注意が必要です。

ストレスを軽減!しあわせホルモン「セロトニン」

人はストレスを軽減させるために、脳内に「しあわせホルモン」とも呼ばれている神経伝達物質のセロトニンを分泌しています。ところが、環境の変化や不規則な生活によって、このセロトニンの分泌が不足することがあります。セロトニンが不足すると、感情をコントロールできなくなったり、気分が沈みがちになったりするため、5月病が引き起こされるとも言われています。

セロトニンの生成を促すためには、バナナ、乳製品、大豆製品、さつまいも、いわし、白米(雑穀入り)などを摂取するのがよいそうです。

5月病を防ぐために大切なこと

5月病を防ぐためには、ストレスや疲労を溜めないことが大切です。疲労回復を心掛け、自分にあったストレス解消法をみつけましょう。

■規則正しい生活を心がけよう

多くの研究で「健康的な食事」と「十分な睡眠」が、ストレス解消によいことが分かっています。ストレスを軽減してくれるセロトニンの分泌を促すためには、朝日を浴びることが効果的。休日であってもなるべく決まった時間に起き、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

■身体を動かしてリフレッシュしよう

脳内のセロトニンの働きを活発にするために、運動がおすすめです。ウォーキング 、ジョ ギング 、水泳、ダンスなど、とにかく自分にあった方法で運動をする機会を増やしましょう。身体を動かすことによって健康増進だけではなく、心身をリラックスさせ、緊張をやわらげてくれる効果も期待できます。

■悩みを打ち明けよう

新しい環境にも少しずつ慣れるようにしましょう。最初から完璧にできる人はいませんし、失敗があったなら「勉強になった」と思って次に活かしましょう。程度の差はあっても、同じようなストレスを抱えている人がいるのなら悩みを共有してみましょう。もし悩みを話せる相手がいない人は、文章に書いてみることで悩みを客観的に捉えることができるかもしれません。

まとめ

新年度が始まって1か月余り。入社や転職、引越しなどにより環境がかわった人も多くいることでしょう。新しい環境にはやく馴染もうと、自分でも気づかないくらい頑張りすぎていることもあるかもしれません。なんだか身体が重たいな、食欲がないな、寝つきが悪いな、などいつもと違う症状が現れたなら、それは要注意のサインです。無理はせず上手にストレスを発散してください。また、まわりにそんな症状がある人がいるなら、声をかけてあげてください。

仕事でも勉強でも、よりよいパフォーマンスができるのは、心と身体の健康があってこそ。5月病になりやすいこの時期だからこそ、みんなで上手に対策をしていきましょう。

 

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