「聴く力」で
よりよいコミュニケーションを
コミュニケーションというと相手に伝えることだと考える人は多いのではないでしょうか。どうしても、自分がいかに上手くしゃべるか、相手にわかりやすく伝えるかということを意識してしまいがちですが、実は、話しやすい雰囲気を作り相手の言葉を引き出す「聴く力」がとても重要なのだそうです。
そこで今回は、聴く力とは何か、また、聴く力を鍛えるためにはどうしたらよいかについて学んでいきたいと思います。
円滑なコミュニケーションに必要不可欠な聴く力(傾聴力)とは?
聴く力は、ときに「傾聴(けいちょう)力」と言い換えられます。傾聴力とは、人との会話の際に相手の話をただなんとなく聞き流したり、自分が伝えたいことばかりを話すのではなく、相手が話している内容を集中して聴く能力を指しています。もともとは心理学のカウンセリングで使われていたテクニックですが、昨今ではビジネスの場においても取引先や部下との関係を深めるために、企業の社員研修などでもテーマとして取り上げられることが増えてきました。
傾聴力は英語では「アクティブ・リスニング(Active Listening)」と訳されます。Activeは「積極的」や「主体的」という意味があるため、傾聴とは「積極的に相手の話を聴くこと」といえます。せっかく話していても、相手が真面目に聴いている姿勢が見えないと話す気がなくなってしまいますよね? 傾聴力とは、相手の言いたいこと、伝えたいことをより深く引き出し、円滑なコミュニケーションをはかるためには必須のスキルであるといえるでしょう。
相手の気持ちに寄り添うことで、良好な人間関係を築くことができる
もし、身近に悩んでいる人がいたなら、何をすべきでしょうか。それは「なぜ悩んでいるのか」や「どう感じているのか」を傾聴し、相手の気持ちに寄り添うことです。そうすることで相手は自分の思考や気持ちを整理することができる上に、話を聴いてくれたあなたに信頼を寄せるようにもなります。さらに、今後も悩んだら話す相手がいることで、安心して物事に取り組めるようになるでしょう。
傾聴することで、この人にならなんでも相談ができると思ってもらえれば、相手との良好な人間関係を築くことが可能です。ビジネスにおいても、取引先が困っていることや実現したいことなどを聞き出すことができるかもしれません。それにより、課題の解決策として、自社製品やサービスをスムーズに紹介できれば、お互いにとって大きなメリットとなりえます。
聴く力を鍛えるコツ
よりよいコミュニケーションをはかるために、聴く力を身につけたいと考えるひとも多いのではないでしょうか。聴く力は生まれつき備わっているわけではなく、意識することで誰もが鍛えることができる能力です。ここでは、聴く力を鍛えるためのコツを紹介します。
①相手の話に耳を傾けて、最後までしっかりと聴く
②相手の話を途中でさえぎらない、否定しない
③表情やしぐさ、声のトーンなど、相手の様子に注意を払う
④相手の言葉を受け止め、理解し、共感する
ちなみに「聴」という漢字が、「耳」「+(プラス)」「目」「心」で構成されているというのも、なかなか興味深いことではないでしょうか。
まとめ
大きく分けると「伝える」と「受け取る」の2つの要素で成り立つコミュニケーションですが、聴く力は、このうち「受け取る」部分に大きく関わってくることがわかりました。聴く力を意識することで、相手の気持ちを「受け取る」ことができるため、相手と調子を合わせながら、その場に応じた質の高いコミュニケーションをはかることができるでしょう。また仕事では、相手の気持ちに寄り添うことでより適切な提案をしたり、自然と問題解決に導いたりすることができるかもしれません。
聴く力は、ビジネスシーンからプライベートまで、あらゆる場面においてよりよいコミュニケーションをはかる上で大きな役割を果たすスキルであるため、常日頃から意識して身につけたいものですね。
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