これからの時代に求められる「国語力」について
国語といえば学生時代から縁遠くなってしまっている方も多いのではないでしょうか。書籍やインターネット上の文章で情報収集することはあっても、改めて「国語力」について考えることはないかもしれません。ところが今、ビジネスの場でも改めて「国語力」の必要性が声高に聞かれるようになりました。今回は私たちにとって「国語力」がいかに大切か、また社会でどのように活かされるのかについて考えてみたいと思います。
そもそも国語とは何なのか
国語とは、いろいろな定義がありますが、文部科学省の文化審議会答申(※)の中では以下のようなものとして記載されています。
<個人にとっての国語>
①知的活動の基盤
②感性・情緒などの基盤
③コミュニケーション能力の基盤
<社会全体にとっての国語>
①文化の基盤であり、中核である
②社会生活の基本であるコミュニケーションは国語によって成立する
たしかに国語は相手とのコミュニケーションにおいて大切な手段であり、母語である国語をベースとすることで、英語などの外国語をより深く活用できます。このことから、国語は人や社会との関わりの中心をなすものとして考えることができるのかもしれません。
社会の変化で重要化する「国語力」
個人や社会においての基礎ともいえる国語ですが、この国語を上手に運用する能力である「国語力」はさらに重要度を増しているようです。それは、一体どうしてでしょうか。以下の3つの社会の変化から見ていきたいと思います。
■価値観の多様化による社会の変化
現代の社会においては,様々な考え方や価値観を持った人々との間で相互理解を深めていかなければなりません。また、ライフスタイルの変化により、本来なら家庭や地域が担うべき言語教育力が低下し、世代間の人間関係も希薄になっています。いじめや不登校といった子どもをめぐる問題も、日常的なコミュニケーション不足が一つの原因ではないかと指摘する声もあります。
■国際化による社会の変化
急速に国際化が進展する中では、ひとりひとりが日本文化についての理解を深め、母語としての国語への愛情と日本人としての自覚をもつことが必要だと言われています。母国語である日本語をマスターした上で、各国固有の文化について理解し、尊重する姿勢が一層大切になってくるのでしょう。また、リモート化が進むことで、距離や国境を越えてこれからはますます外国人とのコミュニケーションや異文化に触れる機会がさらに増大することも考えられます。これまで以上に国語や外国語を上手に使って、自らの考えや意見を論理的に、かつ説得力を持った言葉で表現することが求められるようです。
■情報化による社会の変化
わたしたちは、インターネットやSNSの活用等により、日々、膨大な量の情報に接しています。そのため、それらの情報が必要か必要でないかを速やかに取捨選択しなければなりません。また、多くの必要な情報の中から本質をつかみ取ることや、断片的に流れる情報を論理的に組み立て直すことが不可欠となってきています。さらに,メールやブログなど、的確に文章をまとめて情報を発信する能力などがこれまで以上に求められています。
※参考文献:文部科学省 文化審議会答申
まとめ いま大人に必要な国語力とは
今後、異なる世代、異なる文化をもつ相手に何かを伝えるためには、自分の考えや意見を整理し、理解しやすい順番になるよう筋道を考える論理的思考力が求められます。この論理的思考力は、幅広いビジネスシーンで役立つので、業種や役職を問わず、すべての社会人が身に着けるべきスキルとも言えます。相手やその場に応じた言葉遣いを意識し、気持ちのよいあいさつを心がけたり、感謝やお互いを認め励まし合う言葉を上手に使って、より円滑なコミュニケーションと、生産性の高い仕事の仕方をしていくことで、仕事力も上がるのではないでしょうか。
私は国語力を培う為によく読書をしているのですが、改めて「国語力」について考え、仕事の場や日々の生活に役立てていきたいものですね。
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